
今週、ビジネス書界の巨匠スティーブン・R・コヴィー氏が電子書籍販売業者アマゾンと独占契約を結んだことで、従来の出版業界はデジタル化の波に再び見舞われた。大手著者が電子書籍販売業者と独占契約を結び、従来の出版社を全く無視するようになるにつれ、自分たちの存在意義が薄れてしまうのではないかと懸念している。
ニューヨーク・タイムズ紙は、Kindleメーカーのアマゾンがコヴィーの著書数冊の独占販売権を取得し、オンライン書店を他の競合他社の書店と差別化する可能性があると報じている。
コヴィー氏は過去20年間で最も成功したビジネス書の著者の一人であり、彼の著書のいくつか(『7つの習慣』や『原則中心のリーダーシップ』など)はAmazon電子書籍ストアで独占販売され、Kindleデバイスでも1年間販売される。
この独占契約には主に2つの意味合いがある。第一に、電子書籍市場の継続的な成長と、大手作家に無視されながらもより大きな売上利益を得ようとする出版社の懸念を裏付けるものだ。また、Kindle向けの著者および書籍の独占契約は、Amazonの電子書籍リーダーを、Barnes & Nobleやソニーといった競合との熾烈な競争から容易に引き離すことになるだろう。
バーンズ・アンド・ノーブルは今月初め、電子書籍リーダー「NOOK」の販売を開始しました。このリーダーは、ナビゲーション、テキスト入力、マルチメディア閲覧に使用できるカラータッチスクリーンを搭載しており、Kindleとは一線を画しています。また、Kindleに次いでワイヤレス接続機能を備えた電子書籍リーダーはNOOKのみです(ただし、ソニーも近々同様のデバイスを発売すると予想されています)。
Kindleとは異なり、NookはWi-Fi(店内閲覧のみ)も搭載していますが、Barnes & Nobleのリーダーは現在、いくつかのソフトウェア問題に悩まされています。これは1月のアップデートで修正される予定です。しかし、Coveyとの独占契約など、今後他の契約が締結されれば、Nookの優れたハードウェア仕様もAmazonのKindle向け書店によって影を潜めてしまう可能性があります。
こうすることで、KindleとNookの違いはiPhoneとGoogle Androidスマートフォンの違いに似たものになるだろう。Verizon DroidやHTC HeroといったAndroidスマートフォンはApple製品よりもハードウェアが優れているものの、iTunes App Storeの独占アプリの数が膨大だったため、多くの顧客がiPhoneに流れ込んだ。Amazonが独占販売でBarnes & Noble書店に対して優位に立つ場合も、同様のことが当てはまるだろう。