アップルのパロアルト店に現れた客の中で、最も異例な人物だったかもしれない。だが、シリコンバレーの中心地では全く場違いというわけではなかった。金曜日の朝、iPhone 6Sの発売を待つ何百人もの列の中にいたのは、人間でも動物でもなく、機械だった。
サンディエゴのブリアナ・レンペシスさんは、車輪で移動し、出会った人とビデオ会議ができるビーム社のテレプレゼンスロボットの中にいた。
マーティン・ウィリアムズ 2015年9月25日の発売日に、テレプレゼンスロボットがiPhone 6Sを購入しようとパロアルトのAppleストアにやって来た。
レンペシス氏はロボットを販売するSuitable Technologies社で働いており、パロアルトのレジに並んでいたのは、何よりも製品の宣伝が目的だった。
しかし、それはうまくいった。レンペシス氏は地元の数多くのテレビ局からインタビューを受けることができただけでなく、Appleもこの珍しいiPhone購入方法を受け入れてくれたのだ。
店内に入ると、彼女はAppleの従業員とコミュニケーションを取り、購入手続きをすべて済ませることができました。ロボットの背面パネルの中に現金が隠されていたことが判明し、Appleの従業員が指示に従ってそれを取り出しました。
iPhone本体に加え、ロボットが明らかに今回の発表会の主役であり、店内を歩き回り、外に戻ってくるまでカメラに追われていた。
マーティン・ウィリアムズ 2015年9月25日、アップルのパロアルト店の外でテレプレゼンスロボットを通して映るブリアナ・レンペシス氏。
レンペシスさんは記者団に対し、購入を木曜の午前10時から待っていたと語った。
購入後、iPhoneはバッグに入れられ、ロボットの側面にあるフックに掛けられたため、窃盗犯にとっては格好の標的となったが、レンペシス氏は心配していないと語った。
「誰も(盗むとは)思わないわ」と彼女は言った。「みんなはもっと良い人だと思うし、私も今のところそう感じているわ」
このロボットはパロアルトではお馴染みの存在だ。アップルストアから歩いてすぐのユニバーシティ・アベニューに店舗があり、通りではロボットが通行人と会話を交わそうとしている姿をよく見かける。