
パフォーマンスアーティストのワファ・ビラルはマトリックスから離れるのではなく、マトリックスに接続するのです。
ニューヨーク大学ティッシュ芸術学部の助教授であるイラク系アメリカ人のビラル氏は、自身の芸術活動のために後頭部にチタンプレートを埋め込んだ。このプレートにより、ビラル氏は後頭部に磁気でカメラを着脱できるようになり、「The 3rd I(第3の私)」と名付けられたプロジェクトに取り組んでいる。

学生のプライバシーを守るため、NYUのキャンパス内ではカメラを外す(またはレンズキャップで覆う)予定だ。しかし、キャンパス外では、常に持ち歩いているノートパソコン(カメラに接続)から、今月カタールで開館予定のマトハフ・アラブ近代美術館で開催中の「The 3 rd I」展に毎分写真を投稿する。
「意識的に写真を撮るという主観性を失いたかった」と彼はロンドンのデイリー・メール紙に語った。「同時に、日常のありふれた光景を捉えたかったのだ。」
きっと、彼の首からカメラが突き出ている理由を人々が理解しようとする「ありふれた日常の画像」が、たくさん送られてくるだろう。
このプロジェクトは「時間のアクセス不能性と、記憶や経験を捉えることができないということについてのコメントだ」と彼は付け加えた。
タトゥーとピアスのスタジオで局所麻酔を使って取り付けられたこのプレートは防水性があるため、ビラルさんは雨やシャワーを浴びるときにそれを隠す心配をする必要がない。

芸術のために苦しむことは、ビラルにとって目新しいことではない。2007年には、ウェブサイトの訪問者が自分に向けて発射できるリモコン式ペイントボールガンを持って、シカゴのギャラリーに閉じこもった(「Domestic Tension」(国内の緊張)2007年)。2010年6月には、イラクの都市名が記された地図を背中にタトゥーした。イラク軍とアメリカ軍の犠牲者が街中で増えるにつれ、負傷者や死者の位置を示す点をタトゥーに付け加えた(「…and Counting」(…そして数える)2010年)。
手術は痛かったかと聞かれると、ビラルさんはメール紙にこう答えた。「ええ、とても痛かったです。」