近距離無線通信(NFC)は、2つのデバイスをタッチすることでデータ交換を行う機能で、モバイルデバイスでは普及しつつあり、今やモバイルとは最もかけ離れた技術の一つ、プリンターにも搭載され始めています。そう、プリンターです。
ブラザーインターナショナルは火曜日、SOHOユーザー向けの150ドルのカラーインクジェット複合機「MFC-J870dw」を発表しました。この価格帯のプリンターは一般的にありふれた製品ですが、MFC-J870dwはインクジェットプリンターとしては他に類を見ないNFC機能を搭載しています。NFC対応デバイスをMFC-J870dwにタッチするだけで、印刷が可能になります。このモデルには他にも、イーサネットおよびWi-Fi接続、自動両面印刷、特殊コーティングされたCD、DVD、Blu-Rayメディアへの印刷機能など、優れた機能が搭載されています。2年間の保証も魅力です。

NFC搭載プリンターは、想像するほど珍しいものではありません。このプリンターが想定しているSOHOユーザーの多くは、NFCが最も普及しているスマートフォン、ノートパソコン、タブレットも持っているでしょう。では、NFC搭載プリンターがあれば、一体どんなメリットがあるのでしょうか?
NFCの問題点は、他のインスタント接続技術(例えば赤外線など)と同様に、十分な数のデバイスがNFCに対応していれば、その威力を発揮できるということです。そうでなければ、ただただ待機状態になり、何かできることを待っているだけです。

サムスン(NFC搭載レーザープリンターのラインアップを発表したばかり)やソニーといった大手エレクトロニクス企業は、NFC搭載デバイスの拡充を宣伝し、写真、音楽、動画といったデータのやり取りを披露しています。しかし、NFCは決済手段としての本来の用途をまだ見出せていません。ブラザーがMFC-J870dwを発表したことで、プリンター各社もNFCのキラーアプリ探しに参入し始めています。