フィリピン警察の犯罪捜査・摘発グループは先週、米連邦捜査局とフィリピン警察が共同で、サウジアラビアのテロリスト集団とつながりのあるマニラのハッカー容疑者4人組を摘発したと発表した。

1999年以来、米国とサウジアラビアの通信会社へのハッキング事件を捜査してきたFBI捜査官らは、テロ活動への資金提供活動などを行うサウジアラビアの組織と地元ハッカーを結びつけると思われるさまざまな銀行取引の「証拠書類」を発見したとCIDGは声明で述べた。
しかし、フィリピン警察とAT&Tは、AT&Tのネットワークがハッキングされたかどうかについては意見が一致しておらず、通信サービスプロバイダー側は、標的となったのは一部顧客の電話システムだったと主張している。
フィリピン警察当局によれば、先週の作戦は、システムへのハッキングにより最大200万ドルの損害を被ったAT&Tからの苦情を受けて行われたという。
しかしAT&Tは月曜日、AT&Tのネットワークはハッカーの標的にも侵入にもなっていないものの、一部の顧客を含む複数の企業の電話システムはハッカーの攻撃を受けたと発表した。「AT&Tは、ハッカー集団の逮捕につながった捜査において、法執行機関に協力しただけだ」と、同社は電子メールで発表した声明で述べた。
同社は、顧客の請求書に記載されていた不正請求の一部を帳消しにしたと述べた。AT&Tは標的にもならず、侵入も受けていないため、同社が被った損害はこれらのみだと同社は述べた。「金額についてはコメントできません」と付け加えた。
AT&Tは先週、多数のAT&T顧客アカウントの情報を入手しようとする試みがあったと発表したが、攻撃の実行犯がユーザーのオンラインアカウントにアクセスしたとは考えていないと述べた。
CIDGの対国境・サイバー犯罪課(ATCCD)の責任者であるギルバート・ソーサ警視正は、月曜日の電話取材には応じなかった。FBIもコメント要請に直ちに回答しなかった。
テロリストがハッカーを雇ったとされる
フィリピン警察によると、ジェマ・イスラミアのメンバーであるムハンマド・ザミール氏率いるグループは、AT&Tを含む複数の通信会社の幹線をハッキングするために容疑者らに金銭を支払ったという。CIDGによると、ハッキングによる収益はテロリストの口座に流用され、テロリストらは地元銀行を通じてフィリピン人ハッカーに手数料を支払っていたという。
ジェマ・イスラミアは東南アジアで活動するイスラム過激派グループであり、2002年のバリ島爆破事件など同地域でのいくつかのテロ攻撃に関与していると言われている。
ザミール容疑者は2007年にイタリアでFBI捜査官に逮捕されたが、同容疑者のグループは活動を続けている。その後FBIは、同容疑者が2008年11月26日にインドのムンバイで発生したテロ攻撃の資金源だったと指摘した。CIDGによると、ザミール容疑者の逮捕後、名前を明かされていないサウジアラビア国籍の人物がグループの運営を指揮し、マニラのハッカーグループとのつながりも維持していたという。
CIDGによれば、FBIは3月に、このテロ集団が米国のAT&Tを標的にしており、同じフィリピン人ハッカー集団が関与していたことを突き止め、ATCCDに支援を要請したという。
ジョン・リベイロは、IDGニュースサービスでインドのアウトソーシングとテクノロジー全般の最新ニュースを担当しています。Twitterで@Johnribeiroをフォローしてください。メールアドレスは[email protected]です。