大型ノートパソコンといえば、MSIのTitanシリーズが挙げられます。重量9.7ポンド(約4.7kg)、12本の冷却パイプ、NVIDIA GTX 1080、フルメカニカルキーボードを搭載したGT75VR Titanは、 AcerのPredator 21 Xの9,000ドルという贅沢さには及ばないものの、それでも市場で最も大型で機能満載のノートパソコンの一つです。
最も大きな違いをもたらすと思われる機能は、必ずしも最も話題になる機能ではないでしょうが、HDR対応ディスプレイです。GT75VRは1080と4Kの2種類が用意されているので、実際には2種類搭載されています。HDRはデスクトップディスプレイでは珍しく、ましてやノートパソコンではなおさらです。これまでにHDR対応ディスプレイが発表されたのは1、2機種だけです。MSIは、小型ディスプレイの入手しやすさを考慮して、18インチのTitanから17インチのTitanにサイズダウンしました。このスクリーン技術のアップグレードにより、GT75VRは一躍エリートグループに仲間入りするでしょう。
キーボードも侮れません。MSIの旧Titanは、Cherry MX Brownキーボードをフレームに詰め込んでいることで悪名高かったのです。箱の背面は見栄えは良かったものの、実用性は必ずしも高くありませんでした。キーボードを収納するために、リストレストなしでノートパソコンの前面に配置する必要があり、タイピングがしづらいという問題がありました。

GT75VRでは、MSIはSteelSeriesに依頼し、全く新しいメカニカルスイッチをカスタム設計しました。Cherryの模倣品でもSteelSeries独自の「QS1」スイッチでもありません。SteelSeriesは、Razerが2016年のBlade Proで採用したのと同様の、ノートパソコン向けのメカニカルスイッチを設計しました。標準的なシザースイッチと同等の面積でありながら、内部はメカニカルスイッチの仕組みになっています。
MSIのキーボードの方が好きですね。クリック感があり、メカニカルキーボードならではのタクタイル感もしっかり残しつつ、Razerのキーボード(キーが抜けてしまうことが多々ありました)よりもスムーズなタイピング感覚を実現しているように感じます。本物のCherry MXデスクトップキーボードと同じくらいタイピングが快適かと問われれば、答えはノーです。見た目は劣るものの、ノートパソコンの筐体にぎこちなく押し込まれたCherry MXキーボードよりは断然タイピングが快適です。
超高性能なGT75VR Titanの話題を、その画面とキーボードから始めるのは少し奇妙かもしれませんが、最も興味深いのはそれらです。内部はより標準化されており、Intel Core i7-7820HKと、GTX 1070、デュアルGTX 1070、またはシングルGTX 1080のいずれかを搭載しています。18インチTitanとは異なり、デュアルGTX 1080モデルは用意されていません。これはおそらくパワー不足が原因でしょう。
MSIは、GT75VR Titanが同スペックの競合ノートパソコンを凌駕する性能を誇ると発表しました。その理由の一つは、GT75VRの優れた冷却性能です。12本ほどのヒートパイプ(モデルによって異なります)と2つの巨大ファンに加え、すべてのファンを一時的に100%回転させるボタンまで搭載されており、システムを急速に冷却すると同時に、ノートパソコンを小型ジェットエンジンのように動作させます。

これだけの冷却性能には、やはり価格が伴います。GT75VRはとてつもなく重いのです。9ポンド(約4.7kg)以上!これまで使ってきた「セミポータブル」や「デスクトップ代替」のノートパソコンに比べると重量バランスは良いのですが、Titanはその名に恥じない性能です。頻繁に持ち運ぶことは想定していません。同僚のGordon Mah Ungなら、最大限のパワーを得るためには喜んでその価格を支払うでしょう。そうでない方は?MSIの超薄型Max-Qノートパソコンの方が適しているかもしれません。
GT75VR の優れたパフォーマンスの裏に本当に熱があるのか、それとも GT75VR のパフォーマンスは MSI が主張する通りのものなのかは、今後数か月以内に行われる予定の適切なレビューを待つ必要がある疑問です。