概要
専門家の評価
長所
- 縮小版のようには感じない
- 手頃な価格
- 数十種類のブラシ
短所
- 急な学習曲線
私たちの評決
新進気鋭のアーティストや趣味で絵を描く方に最適なPainter Lite。豊富なブラシとエフェクトを使って、クリエイティブな表現を自由に楽しめます。パワフルでありながら手頃な価格なので、投資するべきは時間だけです。
昨年、Corel Painter 12をレビューした際、その使い心地の素晴らしさ、そして芸術的な経歴(というか才能)がない私でも絵を描きたくなるほどの刺激的な体験について熱く語りました。とはいえ、Painter 12は現在299ドルで販売されており、これは割引価格です。ただバーチャルペイントで遊んでみたいだけなら、決して安い金額ではありません。そこで登場するのが、Corel Painter Liteです。これは、新進気鋭のアーティスト、趣味で絵を描く人、そして絵を描くことを楽しむすべての人に向けた、Painterの69ドル版です。
表面的には、Painter Lite は Painter と全く同じように見えます。洗練されたインターフェースはそのままに、ツールドッキングパネルを自由に切り離して移動できます。ペンタブレットをお使いの場合は、Painter と同様に、自分好みのストロークスタイルに合わせて Painter Lite を調整できます。

ちなみに、デジタルペインティングに本格的に取り組むなら、ペンタブレットは絶対に手に入れるべきものです。Corel Painter Liteはマウスでも使えますが、まるでスプーンだけで夕食を作ろうとしているような感覚です。ペンタブレットを使うと、Painter Liteは筆圧やペンの角度に反応し、自然なペイント体験を実現します。
Painter の最も重要な部分は、もちろんペイントブラシです。Corel は Painter Lite に、マーカー、エアブラシ、水彩ブラシ、特殊効果ブラシなど、実に 97 種類ものブラシをバンドルしています。特に注目すべきは、Painter 12 の完全版をレビューした際に私が感銘を受けた、滴り、乾き、混ざり合う非常にリアルなブラシタイプである「リアル水彩」と「リアルウェットオイル」が欠けていることです。それでも、バンドルされているブラシの種類が豊富なので、精緻な鉛筆スケッチから、大きく表現力豊かな厚塗り作品まで、様々な表現を簡単に生み出すことができます。

CorelがPainter Liteで行った興味深い決定の一つは、自動ペイント機能を削除したことです。Painter 12の完全版では、画像を読み込み、ブラシと設定を選び、あとはPainterにブラシストロークで再現させ、説得力のあるペイントを作成できます。Painter Liteからこの機能を削除した決定には驚きました。なぜなら、自動ペイント機能は主にプロではないけれど、目指す絵を描くのに手助けが必要な人、つまりPainter Liteで初めてデジタルペイントを始めるようなユーザーのためのものだと考えているからです。とはいえ、手頃な価格の自動ペイントツールを探している初心者であれば、Dynamic Auto-Painterを検討してみる価値はあるでしょう。
フルバージョンのPainterと同様に、Painter Liteはレイヤーをサポートしています。これにより、既存の写真を簡単に手動でトレースしたり、背景と被写体を分離して異なるブラシや効果を試したりできます。ペイント内の同じ部分を2つのバージョンに分け、それぞれを別々のレイヤーに表示して切り替え、どちらが気に入るかを決めることもできます。また、ペイント全体とは独立してレイヤーの色を調整したり、モーションブラーや被写界深度などの効果を特定のレイヤーにのみ適用したりすることも可能です。

Lite と名乗るものは、本物とは思えない粗悪な代替品のように感じられることがあります。しかし、Painter Lite はそんなことはありません。芸術的な表現の可能性を秘めた、パワフルなツールキットと言えるでしょう。Painter のフルバージョンを徹底的に検証し、Lite で何を削り、何を残すかを決定した開発者は、きっと慎重な判断をしたのでしょう。その結果、コストパフォーマンスに優れ、使っていて楽しい製品が誕生しました。Painter Lite は、使い始めるには十分なパワーを備えています。もし使い慣れなくなったら、自然とフルバージョンの Painter に移行できます。
注:製品情報ページの [ダウンロード] ボタンをクリックするとベンダーのサイトに移動し、最新バージョンのソフトウェアをダウンロードできます。