

バラク・オバマ氏は、大統領選の最終盤に向けてシリコンバレーで強力な支持基盤を築きつつある。GoogleのCEO、エリック・シュミット氏は、オバマ氏を正式に支持すると表明し、今後数日間の集会やイベントに同行する予定だ。シュミット氏は以前、民主党の選挙陣営の非公式アドバイザーを務めていた。
シュミット氏は、自身の支援は個人的なものであり、Googleを代表するものではないことを明確にしているが、彼の影響力の原動力となっているのは紛れもなくこの幹部の立場であり、検索エンジン部門の同僚たちも、寄付金の額から判断するに、この状況を受け入れているようだ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、Googleの従業員はオバマ陣営に総額48万7355ドルを寄付しているのに対し、ジョン・マケイン陣営にはわずか2万600ドルしか寄付していない。
テックトーク
オバマ氏は長年、二人の候補者の中でよりテクノロジー志向が高いと評されてきた。彼の選挙運動は、iPhoneアプリから支持者向けのテキスト中心のコミュニケーションシステムまで、あらゆるものを生み出してきた。一方、マケイン氏はコンピューターに関する知識の不足で話題をさらってきた。しかし、実際のテクノロジー関連の法案となると、両上院議員ともそれぞれの立場を表明している。では、オバマ氏の当選でGoogleはどのような利益を得るのだろうか?
• 可能性のあるポジション
オバマ大統領が閣僚に創設すると表明している最高技術責任者(CTO)のポストにシュミット氏が就くべきだという声が既に上がっている。多くの人が、これは決して実現不可能ではないと推測している。シュミット氏自身も、その可能性について問われた際、「Googleの経営で非常に忙しい」とだけ答えた。
• 重要な同盟国
Googleは現在、ワシントンD.C.で多くの懸案を抱えている。議員たちはGoogleの広告事業を制限する可能性のあるプライバシーポリシーを検討しており、Yahooとの合弁事業提案は少なからぬ注目を集めている。シュミット氏はこれらの決定は司法省の管轄だと述べているものの、大統領の支持を得ることはGoogleの利益に繋がるに違いない。
• 制限と闘う仲間
オバマ氏とグーグル氏は共に、インターネットサービスプロバイダー(ISP)の料金体系を制限し、ISPによるコンテンツ制限の権限を厳しく取り締まるという考えを支持してきた。オバマ氏は、ISPによるコンテンツのフィルタリングや制御を禁じるいわゆる「ネット中立性」法を長年支持してきたが、マケイン氏は、こうした決定を通信事業者に委ねるという立場をとってきた。グーグルは当然のことながら、ネット中立性政策を圧倒的に支持している。原則や理念はさておき、より多くの人々が制限のない高速アクセスを利用できるようになることは、グーグルのビジネスにとって明らかにメリットとなるだろう。
もちろん、シュミット氏自身の支持がどれほどこれらの問題に直接関係しているのか、どれほど個人的な情熱に過ぎないのかは、シュミット氏自身にしか分からない。しかし、その境界線がどこにあるのかはともかく、グーグルが彼の支持に大きな異議を唱えるとは考えにくく、また、そのような立場を取っている企業はグーグルだけではない。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道によると、他のシリコンバレーのCEOたちも近々支持を表明すると予想されており、オバマ陣営もこれに異議を唱えていないようだ。