最近のAndroidスマートフォンは、プロセッサの高速化、グラフィックエンジンの高性能化、コア数の増加といった謳い文句で、パフォーマンスに関しては熾烈な競争を繰り広げているようです。私たちは、現在入手可能な最も人気のあるAndroidスマートフォンのいくつかを、厳格なベンチマークテストにかけ、どのスマートフォンが謳い文句通りのパフォーマンスを発揮するかを検証しました。
Samsung Galaxy S III(Verizon版)とHTC EVO 4G LTE(Sprint版)は、どちらも1.5GHzデュアルコアのQualcomm Snapdragon MSM8960プロセッサを搭載しています。Samsung Galaxy Nexusは、旧型の1.2GHzデュアルコアTI OMAPプロセッサを搭載していますが、新しいAndroid 4.1(Jelly Beanとも呼ばれます)を搭載しています。最新バージョンのAndroidの多くのハイライトの中でも、Project Butterによるよりスムーズなグラフィックスと全体的なパフォーマンスの向上が挙げられます。Googleによると、Project ButterはCPUとグラフィックスを並列処理することで、Androidデバイスのパフォーマンスをよりスムーズで応答性に優れたものにするとのことです。
このテストグループで唯一のクアッドコア搭載スマートフォンは、NVIDIA Tegra 3プロセッサを搭載したLG Optimus 4X HDです。このスマートフォンは、今年登場した他のクアッドコア搭載スマートフォンと同様に、現時点では海外でのみ販売されています。
さらに、Samsung Galaxy Note(T-Mobile)とMotorola Droid 4(Verizon)という2つの旧型スマートフォンもテスト対象に加えました。Samsung Galaxy Noteはデュアルコア1.5GHz Snapdragon S3プロセッサを搭載し、Motorola Droid 4はデュアルコア1.2GHz TI OMAPプロセッサ(Galaxy Nexusのプロセッサの若干のバリエーション)を搭載しています。
すべてのベンチマーク プログラムがクロスプラットフォームであるわけではないため、今回のパフォーマンス テストでは Android スマートフォンのみを選択しました。
ベンチマークの説明
PCWorld Labsのアナリストは、入手したすべてのスマートフォンを厳格な一連のテストにかけます。まず、AndEBenchはAndroidスマートフォン用のサードパーティ製ベンチマークアプリで、CPUとDalvikインタープリターのパフォーマンスを測定します(DalvikはAndroidの仮想マシンで、OSのコア機能の多くを実行します)。私たちはAndEBenchでネイティブテストとJavaテストの2つのテストを実行しています。また、Labsのアナリストは、プロセッサとメモリのパフォーマンスを測定するクロスプラットフォームのマルチコアベンチマークであるGeekbenchも実行しています。
JavaScriptのパフォーマンステストには、ブラウザでのページ読み込み時間を測定するSunspiderを使用しています。また、Labsのスタッフは、複数のJPG画像、テキスト、表を用いた独立したページ読み込みテストも設計しました。アナリストは、非公開のWi-Fiネットワーク経由でページ読み込み時間を評価します。
最後に、OpenGL ES環境のグラフィックパフォーマンスを測定するGLBenchmarkを実行します。GLBenchmark Egypt 2.1.4とGLBenchmark 2.1.4 Proでそれぞれ1回ずつテストを実施しました。どちらのテストも結果は1秒あたりのフレーム数で測定されます。1秒あたりのフレーム数が多いほど、テスト対象のスマートフォンのグラフィックパフォーマンスが優れていることを示します。
結果
下のグラフ結果からわかるように、クアッドコアのLG Optimus 4X HDは、AndEBenchテストとGeekbenchの両方で競合製品を圧倒しました。興味深いことに、Galaxy S IIIとHTC EVO 4G LTEはPCWorld Page Load Testsで優位に立ち、HTC EVO 4G LTEが6.5秒で最速を記録しました。Galaxy Nexusは、Sunspider JavaScript Benchmarkで1.52秒の最速時間を記録し、HTC EVO 4G LTEは1.58秒でそれに僅差で続きました。グラフィックス性能に関しては、LG Optimus 4X HDはGLBenchmark Egypt Offscreenテストを制覇しました。しかし、GLBenchmark Proテストでは、Galaxy S IIIが1秒あたりの最高フレーム数を達成し、HTC EVOが2位となりました。
米国ではクアッドコア搭載のスマートフォンが不足していますが、年末に向けて増えることを期待しています。また、QualcommのクアッドコアS4 Proチップがスマートフォンに搭載されるのも待ち遠しいです。このチップセットは現在開発者向けタブレットにのみ搭載されていますが、当社のベンチマークでは非常に良好なパフォーマンスを示しました。
ベンチマークが必ずしもスマートフォンの良し悪しを決定づけるわけではないことを覚えておくことが重要です。スマートフォンの全体的なパフォーマンスを判断する際には、複数のアプリの実行、ファイルの転送、ゲームのプレイ、動画の視聴など、実際の使用シナリオでのテストも重要です。






