MicrosoftのYour Phoneアプリは当初iOSとAndroidの両方向けに設計されていましたが、その後Androidのみの機能に絞り込まれました。現在、MicrosoftはYour Phoneアプリの高度な機能をSamsungデバイスのみに限定することで、アプリの焦点をさらに絞っているようです。
ファストリング向けの新しいWindows 10 Insider ビルド(Build 19608)の一環として、MicrosoftはWindows 10 Your Phoneアプリにファイルのドラッグアンドドロップ機能を追加することで機能強化を図っています。ただし、対応しているSamsung製スマートフォンをお持ちでない場合は、残念ながらこの機能は利用できません。Microsoftは、さらに多くのSamsung製デバイスにコピー&ペースト機能を追加していますが、こちらも同様の機能で、代わりに「コピー」と「貼り付け」のコマンドを使用する必要があります。3月のBuild 19582アップデートでは、スマートフォンの画面をリモートでオフにする機能も追加されましたが、これも一部のSamsung製スマートフォンのみ対象です。
Samsung製スマートフォンをお持ちでないユーザーにも、いくつかの改善が行われます。しかし、それらはごくわずかなものです。Your PhoneアプリのUIが全面的に刷新され、アプリの背景がスマートフォンの壁紙と同期されるようになり、ヘッダーのタイポグラフィがより目立つようになりました。メッセージ機能も、誰もが待ち望んでいた丸みを帯びたメッセージバブルのインターフェースに変更されます。

それ以外、新ビルドには期待できる点はほとんどありません。Windows 10の設定メニューにおけるデフォルトのアプリエクスペリエンスの処理方法が変更されただけで、それ以外は変更されていません。また、付箋を画面上で動かすとクラッシュするなど、一般的なバグもいくつか修正されています。
覚えておいてください。Windows 10の「Fast」ビルドの現状は、Microsoftが単にコードをテストしているだけの状態です。一般向けの今後のリリースとは一切関係ありません。

新しいビルドでは、[設定] メニューに小さな変更が加えられています。
しかし、MicrosoftがSamsungと手を組んでYour Phoneを推し進め、他のスマートフォンメーカーを排除し続けるようなことは避けたいものです。先日のWindows 10 20H1 / 2004のレビューで指摘した矛盾点の一つは、Your Phoneは基本機能はほぼ完成しているものの、エクスペリエンスの質と一貫性は依然としてハードウェアに大きく依存しているという点です。近い将来も、この傾向は変わりそうにありません。