ノキアの棺にまだ泥を塗ってはいけない。同社はまだ生き残っている。アップルとの特許戦争に勝利すれば、ノキアは新たな収入源を得ることができ、他のモバイル機器メーカーに対して特許ポートフォリオを強化するためのより強力な立場を築くことができる。
契約の具体的な条件は明らかにされていないが、ノキアの声明によれば、アップルは両社間のライセンス契約の一環として、前払いで一時金を支払い、その後は継続的にロイヤルティを支払うという。
これは、苦境に立たされ、マイクロソフトやサムスンに買収されるのではないかという憶測が高まっていたノキアにとって、大きな勝利と言えるだろう。スマートフォン市場での衰退に歯止めをかけ、勢いを取り戻そうとするノキアにとって、こうしたライセンス契約から得られる収益は、少なくとも慰めとなるだろう。
「ノキアのライセンシーの増加にアップルが加わることを大変嬉しく思います」と、ノキアの社長兼CEOであるスティーブン・エロップ氏は述べています。「今回の和解は、ノキアが業界をリードする特許ポートフォリオを有していることを示すものであり、モバイル通信市場における更なるライセンス機会の獲得に注力することを可能にします。」
翻訳: 「次は君だ、アンドロイド。」
技術特許および知的財産の専門家であるフロリアン・ミューラー氏は、この契約はノキアとアップルだけの問題ではないと考えていると述べた。「ノキアは特許ポートフォリオをより積極的に収益化しようとしており、この契約はノキアの力を強化するでしょう。ノキアがまだライセンス契約を結んでいないAndroidデバイスメーカーはおそらく数多くあるでしょう。」
この勝利は、ノキアの特許ポートフォリオの強さと、それを守り続ける粘り強さを証明しています。ミューラー氏はノキアについて、「ノキアは他のデバイスメーカーと比べて非常に有利な立場にあります。アップルのようなリソースを持つメーカーはどこにもなく、アップルと同等の特許ポートフォリオを持つメーカーはごくわずかです」と述べています。
そして、ノキアがマイクロソフトの足跡をたどるならば、GoogleやAndroid OS自体ではなく、Androidデバイスを開発・販売するスマートフォンおよびタブレットベンダーに対抗することになるだろう。この戦略には2つの利点がある。1つは、一般的にGoogleよりも規模が小さく、ノキアと法廷で争うだけの資金力や法的リソースを持たない企業をターゲットにしていること、もう1つは、デバイス単位でライセンス料を収益化できるレベルで特許侵害を狙うことができることだ。これにより、継続的な収益源を確保できる。
マイクロソフトを例に挙げると、ノキアは自社のスマートフォンの販売よりも競合プラットフォームとのライセンス契約からより多くの収益を得られる可能性がある。
