クラウドストレージの話題になると、BoxはDropbox、SkyDrive、Google Drive、SugarSyncなどの競合サービスと並んで、主要プレーヤーの一つとして挙げられることが多いです。しかし、クラウドへのデータ保存は、Boxとこれらの競合サービスとの唯一の共通点の一つです。なぜなら、Boxは独自の道を歩んでいるからです。
一見すると、Boxはクラウドストレージの選択肢のように見えますが、実際その通りです。しかし、Boxはそれだけではありません。Boxはクラウドストレージを提供するという観点ではなく、より大きなビジョンを掲げています。「コンテンツの共有、アクセス、管理を驚くほど簡単にする」。クラウドへのデータ保存は、Boxがその目標を達成するための取り組みの一つに過ぎません。
Boxは今週、サービスの大幅なアップデートと、顧客を導くための新たなコンサルティングサービスを発表しました。Boxには基本的なデータ損失防止機能が追加され、IT管理コンソールにドキュメントワークフローを自動化する機能が追加されました。さらに、Boxはプロフェッショナル・コンサルティング・サービスも提供開始しました。Box ConsultingとCapgeminiが提携し、顧客がBoxクラウドサービスを最大限に活用できるよう、専門的なガイダンスを提供します。
スティーブン・ローソン Box の共同設立者兼 CEO であるアーロン レヴィ氏が、Inc. Magazine の 2013 年起業家オブ ザ イヤーに選出されました。レヴィ氏が起業家オブ ザ イヤーに選ばれたのは、Fortune 500 企業の 97% を含む 20 万社の 2,000 万人以上のユーザーをサポートする Box の目に見える成功だけに基づくものではありません。Inc. Magazine がレヴィ氏を選んだのは、クラウド ストレージの提供だけにとどまらない無形の成果を評価したからです。
Inc.は、「クラウドストレージは基本的にコモディティです。レヴィ氏はこれを早くから認識し、Boxの方向性を消費者向けから企業顧客へと転換しました。特に企業顧客においては、優れたデザインへの徹底的なこだわりが際立っていました。こうして彼はBoxをコモディティ市場のプレッシャーからある程度の距離を置いたのです。彼はモバイル分野にも迅速に進出し、セキュリティへの懸念にも先手を打ったのです。彼は当時も今も、旧来の考え方やモデルに縛られることなく、常に的確な判断を下し続けています。」と説明しています。
最後の一文には、クラウドストレージプロバイダーだけでなく、他の企業にも役立つ教訓があります。常に柔軟な考え方を持ち、既存のアイデアやモデルに固執してビジネスを窮地に追い込んだり、可能性を狭めたりしないようにしましょう。
しかし、その裏返しとして、自社のコアとなる強みを理解し、パートナーシップと協業を活用して価値を拡大していくことが重要です。あらゆるニーズに対応しようとしてリソースを浪費するのではなく、常に変化を求め続けることが重要です。「既成概念にとらわれない発想」と、従来の常識を覆す価値の提供、そして自社の専門分野から外れた製品やサービスを提供しようとする「先走り」の間には、微妙な境界線があります。
競争する最良の方法は、競争しないことです。顧客に価値を提供することに集中し、その価値によって市場での地位を確立しましょう。顧客から競合他社へと注意を逸らしてしまうと、何が重要かを見失い、最終的には自らの破滅を招くことになります。