NASAの火星探査車「キュリオシティ」が赤い惑星に着陸してから1週間以上が経過した。カリフォルニア州パサデナにあるNASAジェット推進研究所（JPL）のミッションコントローラーは、この間、キュリオシティの10個の機器の点検とソフトウェアのアップデートを行ってきた。火星における微生物生命の証拠を探すという2年間のミッションに向けての作業だ。NASAは火曜日に記者会見を開き、キュリオシティのこれまでの進捗状況について報告した。
素晴らしい写真
火星ミッションのリーダーたちは、これまでにキュリオシティから送られてきた素晴らしい画像を公開した。
例えば、ローバーのナビゲーションカメラで撮影されたこの写真では、左側にキュリオシティのデッキと電源の一部、そしてキュリオシティ、周回軌道上の宇宙船、そして地球間の通信を可能にする低利得アンテナと高利得アンテナの両方が見えます。さらに遠くには、ゲール・クレーターの縁が見えます。NASAによると、ローバーに近い右側には、降下段のロケットエンジンが地面を突き破り、切り離されて不時着した跡が見えます。
NASAによると、実際に火星に立ってこの光景を見たら、全く違って見えるはずだという。空は赤く、埃っぽい空気と地表のせいで、景色はもっと地味に見えるはずだ。科学者たちが何を見ているのか分かりやすくするため、NASAは探査機が地球の太陽光に照らされた時に見える光景を再現するために、色彩の「ホワイトバランス」を調整した。
次のステップ
今後数日間で、キュリオシティからさらに多くの画像が送られてくる予定で、その中には探査車が最終的に向かうシャープ山の鮮明な画像も含まれる。火星ミッションマネージャーのマイク・ワトキンス氏によると、探査車がこれまでに撮影したパノラマ画像ではシャープ山の全景が映っていない。これは、撮影シーケンスが事前に計画されていたためだという。
「太陽にカメラを向けることが安全かどうか確信が持てなかった」とワトキンス氏は語った。
今日から気象観測機器による24時間の測定が始まりますが、火口内の風の影響でデータの整理にはしばらく時間がかかります。
数日後、NASAはステアリングアクチュエータのテストを開始し、キュリオシティを最初の短い走行に出す予定だ。おそらく数メートル程度だろう。
NASAはすでに、火星探査機HIRISE（高解像度画像科学実験）のデータを使い、シャープ山への最適なルートを6つほど特定していたが、探査機が地上に着陸した今、岩の大きさ、砂の深さ、傾斜の点でどのルートが最も安全に横断できるかを判断するのが容易になるだろう。
キュリオシティは高さ約1メートルの岩や最大50度の傾斜地を登ることができるが、ワトキンス氏は、高い岩を乗り越えたり、10度以上の傾斜の斜面を移動したりすることは避けると述べた。
NASAは、キュリオシティの探査機のアームとドリルを除くすべての機器の試運転を完了したと発表した。アームとドリルは約1週間後に完了する予定だ。その後、アームの関節の点検（基本的には起動訓練）とドリル作業が行われる。そのため、「最終的な特性評価」はおそらく1か月先になるものの、NASAは来週以降、キュリオシティは多くの機能を備えるようになると述べている。
シャープ山 への道
キュリオシティが作業の大部分を行うシャープ山への到着には、ある程度の時間がかかるだろう。
NASAによると、キュリオシティの主な目的はシャープ山の下部堆積層の調査ですが、その周辺の状況を把握することが重要であり、そのため、探査車は到着までに2～3個のサンプルを採取する予定です。ローバーがサンプル採取を行うたびに、サンプルの探索、アームの展開、サンプルの採取、そして研究室での処理まで、数週間の作業が必要になります。
キュリオシティは距離の制約にも対処しなければならない。シャープ山はキュリオシティの着陸地点から直線距離でわずか8キロメートルしか離れていないが、NASAによると、探査車は障害物を回避しなければならないため、実際にはさらに数キロメートル移動することになるという。
探査車は1日に約100ヤード（フットボール場1面分）しか移動できません。つまり、サンプル採取のための立ち寄りはあるものの、シャープ山に到着するまでには約100日かかることになります。
ハイテク航空電子機器は大きな課題だった
今週末、キュリオシティは「脳移植」を受けました。火星表面での作業、例えば運転やキュリオシティの強力なロボットアームとドリルの操作に適した新しいバージョンの飛行ソフトウェアが搭載されました。また、このソフトウェアにより、探査機はより優れた画像処理能力を獲得し、運転中の障害物の回避や長距離走行が可能になります。
「脳は同じままなので、これを知能のアップグレードとして考えたい」と、航空電子機器システム責任者のジム・ドナルドソン氏は述べ、キュリオシティの航空電子機器の働きについて専門用語を交えて数分間説明した。
キュリオシティのような複雑な技術については、確かに過度な一般化と言えるかもしれませんが、アビオニクスは基本的に計器、無線、モーター、センサーへのインターフェースを提供するものです。ドナルドソン氏によると、エンジニアが取り組まなければならなかった最大の課題の一つは、「既存の設計手法の拡張性」でした。
翻訳: 火星ミッションには、NASA がこれまで使用したどの技術よりも複雑な技術が関わっています。
好奇心を持ち続ける方法
NASA はウェブサイトの 1 つのセクション全体を火星ミッション専用にしており、火星ミッションについて知りたいことはすべてそこに掲載されています。
PCWorldのイアン・ポール氏が、多数のオンラインツールを使って火星探査車を追跡する方法について、詳細なガイドをまとめています。「Mars Rover Curiosity: A Complete Guide to Tagging Along Online」をご覧ください。
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