最近はあらゆるものがモバイル化しています。ガートナーは、2013年のデバイス販売台数に占めるPCの割合はわずか13%程度と推定しています。しかも、そのPCの一部はノートパソコンですが、その割合は非公開です。小型のモバイルデバイスで作業するほど、モバイルデバイス自体の能力を超えた機能を拡張するために、クラウドストレージやクラウドサービスへの依存度も高まります。だからこそ、モバイルとクラウドはモバイルクラウドへと進化していくのです。
IEEEコンピュータ協会は、モバイルクラウドを2014年のトップテクノロジートレンドの一つに挙げています。IEEEは、「モバイルデバイスは、メモリ、処理能力、バッテリー寿命といった制約を受けます。しかし、クラウドコンピューティングと組み合わせることで、データの処理と保存をモバイルデバイスの外部で実行できるようになります」と説明しています。
ストレージは、ほとんどのモバイルデバイスにとって大きな制約となります。スマートフォンのローカルストレージは通常8GBまたは16GBですが、タブレットは32GB以上を搭載していることが多いものの、最大でも128GBです。ウルトラブックや多くのノートパソコンは、従来のハードドライブを廃止し、ソリッドステートドライブ(SSD)を採用しています。SSDの容量は通常128GBまたは256GBです。より大容量のSSDもありますが、ほとんどの用途には高価すぎて手が出ません。
一方、クラウドには事実上無限のストレージ容量があります。Box、Dropbox、SkyDrive、Google Driveなど、どのサービスを使っても、Wi-Fiや携帯電話の電波を使ってクラウドに接続できる限り、モバイルデバイスからアクセスできるギガバイト単位、あるいはテラバイト単位のデータを追加できます。

モバイルデバイスでクラウドストレージを利用することには、2つの大きなメリットがあります。1つ目は、既に上で述べたように、モバイルデバイスの容量をはるかに超えるデータを保存・アクセスできることです。2つ目は、モバイルデバイスを紛失したり盗難されたりした場合でも、データは安全に保管され、アクセス可能です。
モバイルとクラウドの共生関係は、ストレージだけにとどまりません。モバイルデバイスはコンピューティングとエンジニアリングの驚異ですが、その機能には限界があります。ウルトラブック、タブレット、スマートフォンなど、モバイルデバイスはローカルストレージとネイティブアプリケーションを備えており、ほとんどのタスクをローカルで問題なく実行できます。しかし、クラウドは必要に応じてモバイルデバイスが「重い処理」を担うのを支援します。
IDCは、モバイルとクラウドを単一の統合された共生プラットフォームに統合することを「第3のプラットフォーム」と呼んでいます。モバイルクラウドは、データへのアクセスと同期を向上させ、拡張性と信頼性を向上させ、事実上どこからでもいつでもビジネスアプリケーションにアクセスし、共同作業を行うことを可能にします。
モバイルとクラウドのトレンドはそれぞれ独自の側面を持ち、今後も別々に進化していきますが、モバイル クラウドは、モバイル デバイスを使用して作業を行う方法、時間、場所を変える力となるでしょう。