アップルは、複数の視聴者が、どこに座っているかに関わらず、特別なメガネを必要とせずに、スクリーンに投影された高品質の3D画像を見ることができるディスプレイシステムに関する米国特許を取得した。
映画館での3D映画の成功を受け、家電メーカーは3D技術が消費者のテレビやブルーレイプレーヤーの新規購入を促すことを期待している。しかし、3Dが視聴体験を向上させる分野はエンターテインメントだけにとどまらない。アップルが火曜日に取得した3Dディスプレイシステムに関する米国特許7,843,449号によると、医療診断、フライトシミュレーション、航空管制、戦場シミュレーション、気象診断、広告、教育など、他にも様々な分野が考えられる。

Appleによると、今日の3Dディスプレイのほとんどは、視聴者が特殊なメガネを着用する必要があるため、一般的にユーザーは目の上に機器を装着することを好まないため、広く普及する妨げとなっている。さらに、このようなアプローチは、1人または複数の通行人、あるいは複数の共同作業者に3D画像を表示するのに非現実的であり、実質的に機能しない。
Appleの特許では、波紋状のテクスチャを持つ特殊な反射スクリーンを用いて、特殊なメガネを必要とせずに左右の目に異なる画像を投影する自動立体投影システムを開発している。このシステムは視聴者の目を追跡し、空間における位置を計算する。そして、立体画像の各ピクセルをスクリーンの波紋の一つの正確な点に投影し、視聴者のどちらかの目に反射させる。Appleが片方の目にこれを実現できれば、複数のユーザーに対して同時に波紋上の異なる点に複数の画像を投影できるとAppleは示唆している。
3Dメガネの廃止に取り組んでいるのはAppleだけではない。東芝は日本で開催されているエレクトロニクスショー「CEATEC」で、メガネ不要のテレビを披露した。同社によると、このテレビは12月下旬に発売される予定だ。また、任天堂の携帯型ゲーム機「3DS」は、メガネなしで3Dゲームをプレイできる。日本で2月、欧州、オーストラリア、米国で3月に発売される予定だ。Appleが特許を実際に製品化するかどうか、そしていつになるかはまだ分からない。
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