MSIは今週開催されるComputex 2011カンファレンスで、様々なタブレットモデルを含む様々な新製品を発表します。しかし、真の疑問は、これらの新製品がいつ発売されるのか、あるいはそもそも発売されるのかどうかということです。というのも、MSIは1年以上前からタブレットを「発表」しているからです。
Computexは、毎年ラスベガスで開催されるCESカンファレンスのアジア版とも言える展示会で、新製品や新技術の展示会です。いわばオートショーのようなものですが、自動車ではなくコンピューターの展示会です。しかし、オートショーとこれらのコンピューターカンファレンスの主な違いは、自動車メーカーはコンセプトカーがショーでは派手に見えても実際には日の目を見ることのないプロトタイプであることを正直に認めている点です。一方、コンピューターメーカーはそうではありません。

今週のComputexで、MSIはWindPad Enjoy 10(わずか512MBのRAMとわずか4GBのストレージ容量を搭載した10インチAndroidタブレット)と、WindPad Enjoy 7(ディスプレイは小さく解像度は低いが、バッテリー駆動時間が長い)を披露しました。すごいですね!
MSIの注目製品はこれだけではありません。MSIは、AMD Fusionプロセッサ、2GBのRAM、最大64GBのSSDストレージ容量を搭載し、Windows 7を搭載したWindPad 110Wと、デュアルコアARMプロセッサ、1GBのRAM、最大32GBのSSDストレージ容量を搭載し、Androidを搭載したWindPad 100Aも発表しています。
MSIは発売時期や価格について言及していません。驚きはしません。MSIのタブレット戦略は、展示会で未発表の製品を発表するだけにとどまっているようです。WindPad 100Aはデジャブに見えますか?2010年1月のCESカンファレンスでMSIが発表したTegraプロセッサ搭載のAndroidタブレットを彷彿とさせますね。WindPad 110Wはどこかで聞いたことがあるような気がします。MSIは昨年のComputexでも、2010年6月にWindows 7搭載のWindPadタブレットを発表しました。
自動車ショーとコンピュータショーのもう一つの重要な違いは、ここにあります。自動車ショーで展示されるコンセプトプロトタイプは未来志向です。エンジニアたちが将来実現可能かもしれないと考えているものを、驚くべき機能や性能で実現できるよう設計されています。一方、MSIなどがこれらのカンファレンスで披露する、まだ開発段階のタブレットは、想像力を掻き立てるものではありません。ほとんどの場合、現在販売されている製品に匹敵するものではなく、競合できるのは価格面だけだろうと思わせるほどです。
こういったカンファレンスで発表される新しいおもちゃやガジェットに興奮するのは当然ですが、同じメーカーが同じおもちゃやガジェットを何度も何度も発表するのを見るのは飽き飽きしています。タブレット市場にもっと多様性と競争が生まれることを期待していますし、これらのタブレットのプロトタイプの中には十分に機能しているものもあります。しかし、価格を付けて市場に出すか、正直に言って、製品化されることのないコンセプトタブレットだと言わないかのどちらかでしょう。