企業が生成するデータがますます増えるにつれて、ビジネスの観点からそのデータをすべて有効活用する方法を見つけることが、企業が行うべき重要なことの 1 つになります。
ビジネスインテリジェンスソフトウェアは長年、こうした課題の解決に役立ってきました。そしてAmazonは水曜日、Amazon Web Services(AWS)部門を通じて提供される「QuickSight」というサービスで、この課題に参入しました。このサービスは、ラスベガスで開催されたAWS Re:Inventカンファレンスで発表されました。

AWS QuickSight のデータをグラフ化する機能の例。
このサービスは、企業がAmazonのクラウドに保存しているすべてのデータ(Redshift、DynamoDB、Elastic Map Reduce、さらにはAWSのSimple Storage Service(S3)に保存されているフラットファイルなど)を取り込み、Salesforce、Oracle、そしてユーザーが直接アップロードしたファイルにも対応します。そして、ユーザーが必要としていると思われるグラフを生成し、比較すべき様々な変数を提案します。
ユーザーは興味のあるビジュアライゼーションを表示したら、データを絞り込み、他の情報を1つのグラフやチャートにまとめることができます。気に入ったチャートができたら、インタラクティブなデータを「ストーリーボード」として社内の他のメンバーと共有できます。
Amazonは、このサービスのWebインターフェースに加えて、モバイル端末でQuickSightを閲覧するためのiOSおよびAndroid向けネイティブモバイルアプリも提供しています。これは、タブレットを大規模に導入している企業や、従業員が外出先でもビジネスインテリジェンスデータにアクセスできるようにしたい企業にとって重要な機能です。
これらはすべて、Amazon が Super-fast Parallel In-memory Computation Engine (SPICE) と呼ぶ新しいクエリ エンジンによって実行されており、列指向ストレージ、データ圧縮、マシン コード生成などのテクノロジの組み合わせにより、従来のエンジンよりも高速に使用できるとされています。
このサービスには2つのバージョンがあります。1つは年間契約でユーザー1人あたり月額9ドルのスタンダードエディション、もう1つは企業が1年間契約でユーザー1人あたり月額18ドルのエンタープライズエディションです。エンタープライズエディションでは、Active Directoryとの連携や保存データの暗号化などの追加機能が提供されます。
独自のデータ可視化スイートを持つ大手クラウドプロバイダーはAmazonだけではありません。Microsoftも、自社のデータベースサービスとサードパーティプロバイダーの両方と統合できる独自のPower BIツールを積極的に推進しています。QuickSightの発表により、Amazonは近隣企業であり顧客でもあるシアトルに拠点を置くTableau Softwareとの競合に直面することになります。Tableau Softwareは、AWS上でデータ可視化およびビジネスインテリジェンスツールを提供しています。