Adobe Readerの次期メジャーリリースがまもなくリリースされます。Adobe Reader Xには、Readerのセキュリティ、機能性、モバイル性をさらに向上させる様々な新機能が搭載されます。
Adobe Reader Xで最も期待されている機能は、保護モードです。Adobe Readerの保護モードは、サンドボックス化されたセキュリティ制御であり、マルウェアによるAdobe Readerの脆弱性の悪用を阻止します。Adobeサンドボックスのコンセプトは、Google Chromeウェブブラウザのセキュリティ制御やMicrosoft Office 2010の保護表示モード機能に似ています。

Adobe Secure Software Engineering Team (ASSET) ブログの Brad Arkin 氏の投稿では、「Adobe Reader の保護モードが有効になっている場合(デフォルトで有効になります)、Adobe Reader が PDF ファイルをユーザーに表示するために必要なすべての操作は、制限された環境である「サンドボックス」内で、非常に制限された方法で実行されます。Adobe Reader が、ユーザーの一時フォルダーへの書き込みや、外部アプリケーション(Microsoft Word など)を使用して PDF ファイル内の添付ファイルを開くなど、サンドボックス環境では許可されていない操作を実行する必要がある場合、それらのリクエストは「ブローカープロセス」に送られます。ブローカープロセスでは、危険な機能へのアクセスを防ぐために、許可と禁止に関する厳格なポリシーセットが定義されています。」と説明されています。
Adobe Reader 保護モードに加えて、Adobe は、近々リリースされる Adobe Reader X に含まれる追加機能を発表しました。Adobe Reader X では、スプレッドシート、ビデオ クリップ、図面、その他のマルチメディア要素など、PDF ファイル内のより幅広い種類のコンテンツと対話する機能が追加され、Adobe Reader の機能が強化されます。
Adobe Reader Xには、PDFファイルの操作効率を向上させ、共同作業と生産性を向上させる新機能も追加されています。付箋や蛍光ペンツールを使えば、PDF文書に注釈を付けたり、コメントやフィードバックを共有したりできます。Adobe Reader Xには、印刷やズームなどの一般的な機能のキーボードショートカットや、一度に画面に表示できるコンテンツを増やす新しい閲覧モードが搭載されています。
Adobeはまた、次期Adobe Reader Xが前バージョンよりもモバイル性に優れていることも発表しました。新しいAdobe Readerは、Android、Windows Phone 7、さらにはBlackBerry PlayBookタブレットにも対応する予定です。
Adobe Readerはクロスプラットフォームで、事実上ユビキタスなツールです。これには一定のメリットと利点がありますが、同時にマルウェアの格好の標的にもなっています。Adobeが近日発売予定のAdobe Reader Xについて発表した内容から判断すると、このソフトウェアはまもなくより安全になり、機能性も大幅に向上するでしょう。