YouTube の人気は引き続き印象的な統計を生み出していますが、それはまた、このサイトが長年ほとんど変化していないことを思い出させるものでもあります。

ComScoreの最新レポートは、YouTubeのこれまでの進歩を詳細に示しています。Googleの動画サイト(主にYouTube)の訪問者の平均視聴数が、初めて月間100本を超えました。さらに注目すべきは、Googleの動画サイトを月間約1億4,500万人が訪問し、オンライン動画全体の43.1%を占めていることです。
しかし、YouTubeは劇的な変化をほとんど行っていない。ホームページを見てみよう。おそらくほとんどの人は、リンクや埋め込み動画からサイトを訪れるのではなく、ホームページを見ることはほとんどないだろう。そして、ほぼすべてがユーザー生成コンテンツで構成されている点に注目してほしい。このサイトは「自分を発信する」という創業当初のモットーを忠実に守り続けている一方で、一般的に広告収益性が高く、YouTubeの膨大な視聴者に直接販売できる可能性のあるプレミアムコンテンツは、脇役に追いやられている。
一方、オンライン動画配信シェア3.5%と大きく差をつけて2位につけているHuluは、「Hulu Plus」という定額制サービスを構築するとの噂がある。月額10ドルでHulu PlusはHuluの番組アーカイブ全編にアクセスできる一方、無料サービスでは各番組の最新5エピソードしか視聴できない。
昨年末、YouTubeのサブスクリプションサービス開始の噂が流れたが、YouTubeは自社制作というイメージを覆すための様々な試みも行ってきた。まずは長編映画やテレビ番組(主に『スタートレック』や『マクガイバー』といった時代遅れの名作)の配信を開始し、その後、ビデオレンタル販売にもささやかながら試みた。

それでも、YouTubeはプレミアムコンテンツへの注力から後退しつつあるようだ。YouTubeが初めて映画や番組を導入した際、サイトデザインの変更により「番組」タブが設けられ、プレミアムコンテンツをさりげなく宣伝していたが、今ではそのタブさえもトップページから消えてしまった。現在、YouTubeは過去の視聴習慣に基づいて、人気のコンテンツやおすすめコンテンツを表示することに注力している。
別に悪いことではない。Huluは定額制パッケージを提供することで、コンテンツ所有者からのプレッシャーを受け、未知の領域へと踏み込んでいる。彼らは、Huluがすぐにでも収益を上げられるようにしたいと考えている。何億もの視聴者を抱えるYouTubeには、もしかしたらそんなプレッシャーは必要ないのかもしれない。