眠れるドラゴンがついに目覚めた。広く利用されているDirectXゲームおよびマルチメディアAPIが、実に5年ぶりに世代交代を迎えることを、Microsoftは先日開発者ブログで発表した。偶然ではないかもしれないが、この発表はAMDが大々的に宣伝したMantle APIのリリースからわずか数週間後に行われた。
DirectX 12 を初めて実際に目にすることができるのは、3 月 20 日、Windows グラフィックス開発マネージャの Anuj Gosalia 氏がサンフランシスコで開催される Game Developers Conference で「DirectX: 進化する Microsoft のグラフィックス プラットフォーム」と題した講演を行う時です。Windows グラフィックス開発リーダーの Max McMullen 氏も同日に「DirectX Direct3D の将来」と題した講演を行います。
グラフィックを12に上げる
DX12 について私たちがこれまでに知っていることはすべて、Gosalia 氏の講演の説明から得られたものです。
DirectXは20年近くにわたり、ゲーム開発者が地球上で最も高速で、最も視覚的に印象的なゲームを開発するためのプラットフォームとして利用されてきました。しかし、皆様からはさらなる進化を求める声が上がっていました。よりリアルなゲーム体験を提供し、比類のない多様なハードウェアでプレイできるようにしてほしいというご要望です。また、PC、タブレット、スマートフォン、そしてゲーム機の性能を最大限に引き出せるよう、より優れたツールも求められていました。
では、パフォーマンスの向上は期待できるのでしょうか?ほぼ確実です。Direct3Dの講演では、Mantle風の「前例のないレベルのハードウェア制御とCPUレンダリングオーバーヘッドの削減」が約束されています。MicrosoftのPC/スマートフォン/タブレットへの注力に沿って、DirectX 12がクロスプラットフォームの互換性を向上させることは期待できるのでしょうか?もちろんです。説明にあるモバイル関連の話題や、上の画像にあるQualcomm Snapdragonのロゴに注目してください。
たくさんのシャルトリューズが見られると期待できますか?きっと期待できます。
真面目な話、現時点では詳細は不明です。DirectX 11.1はWindows 8に付属し、DirectX 11.2はWindows 8.1を必要とするため、DirectX 12が次期Windowsの大型リリースに連動しても不思議ではありません。2015年春に噂されているWindowsの大型アップデート「Threshold」が、DirectX 12のローンチパーティーとなるのでしょうか? このビルドの変更は、Windows 8.2ではなく、本格的な「Windows 9」という名称が妥当なほど大規模だと報じられています。Windows 8.2と名乗れば、全く新しい世代のDirectXの登場も同様にふさわしいものとなるでしょう。

AMD の Mantle テクノロジーを高レベルで示すグラフィック。
ValveがSteamOSでOpenGLを推進し、AMDがMantleテクノロジーを積極的に推進する中、競争が激化する市場においてMicrosoftがどのような改善策を提示するのかも興味深いところです。Mantleは、あらゆるメーカーとモデルのハードウェアをサポートするように設計されたDirectXやOpenGLといった高レベルツールよりも、開発者がAMDハードウェアに直接アクセスできるようにします。そのため、パフォーマンスは向上しますが、そのばらつきは大きくなります。AMDによるMantleの推進と、MicrosoftがDirectXのアップデートに本当に関心を持っているのかどうかという疑問が、DX12ティーザーでMicrosoftが「よりリアルに近い」と発言するきっかけになったと考えられます。
しかし、GDCで自社の技術ツールを披露するのはMicrosoftだけではありません。DirectX 12の発表の噂が最初に広まったとき、AMDは次のような声明を発表しました。
昨日、DirectXとOpenGLが拡張され、よりリアルな機能とCPUオーバーヘッドの削減が図られているという記事がいくつか公開されました。AMDは、PCゲーム向けの低レベルで「リアルに近い」グラフィックスAPIというAMDのビジョンに沿ったゲーム開発の方向性を支持し、称賛します。業界の専門家はこれに時間がかかると予想していますが、開発者はMantleを使用することですぐに効率的なAPI設計を活用できます。AMDは、今年のゲーム開発者会議で開発者の皆様に自社APIの将来像を共有できることを大変嬉しく思っています。
詳細が発表され次第、GDC に現地で報告する予定ですので、日程を忘れないようにしてください。