Google Appsは中小企業に様々なメリットをもたらします。しかし、最も重要な要素の一つは、企業が生産性向上やメッセージングプラットフォームとしてGoogle Appsを選択する際におそらく考慮していなかった、災害復旧です。

災害復旧は議論の的になったことがあるかもしれませんが、メリットとしてはあまり取り上げられていないかもしれません。それどころか、Google Appsの活用を検討し、選択肢を検討している多くの企業にとって、災害復旧はしばしば別の側面、つまり「Google Appsが利用できなくなったらどうするか」という観点から捉えられています。
Googleが提供する様々なWebベースのサービスが何度も停止したり、Sidekickを利用しているモバイルユーザーが経験したデータ損失のようなインシデントが発生していることを考えると、それを懸念するのに十分な事例証拠があるように思われます。しかし、一時的なサービス停止は、恒久的なデータ損失よりもビジネスへの影響ははるかに小さいのです。
Google Appsのシニアプロダクトマネージャー、Rajen Sheth氏はブログ記事で、「最悪の事態に備えるのは誰にとっても楽しいことではありません。Google Appsを使えば、心配事が一つ減ります」と指摘しています。
シェス氏はさらに、「クラウドコンピューティングの最も魅力的なメリットの一つは、テクノロジーを民主化できる点です」と説明し、「Google Appsは、最近まで大企業だけが利用できたテクノロジーを、あらゆる規模の企業に提供します。しかも、オンプレミスのソリューションに比べて大幅に低コストで、ソフトウェアのアップグレード、パッチ適用、メンテナンスといった煩わしさもありません」と付け加えました。
確かに、Googleが地理的に離れたデータセンターにある複数のサーバーにデータをリアルタイムで同期複製しているという事実は、Googleの顧客よりもGoogle自身の利益になることが多い。Googleは顧客データの紛失でニュースの見出しを飾らないためのCYA(「後ろ盾」)保護策を講じているだけでなく、最寄りのデータセンターからデータを取得できるようになることでレイテンシが短縮され、全体的なパフォーマンスが向上するなど、サービス全体の改善にもつながる。
しかし、その背後にある理由(利他的であろうとなかろうと)は、その価値を否定するものではありません。企業はデータをバックアップし、災害発生時に復旧するための計画を立てておく必要があります。多くの情報技術関連企業と同様に、中小企業も大企業と同様のニーズを抱えていますが、それを適切に実装するためのリソースが不足しています。マネージドサービスは理にかなっていると言えるでしょう。
従来、メッセージングアプリケーションや生産性向上アプリケーションはローカルにインストールされ、保守されています。Google Appsの活用自体が、これらの業務をGoogleにアウトソーシングする好例です。そして今、Googleはデータのバックアップと災害復旧もこの仕組みに組み込んでいます。
必要なハードウェアとソフトウェアを社内で購入、導入、保守するコストや、テクノロジーの構成と管理に時間と労力を費やす人員の雇用とトレーニングにかかる費用と比較すると、中小企業がマネージド サービス プロバイダーにアウトソーシングする方が理にかなっているビジネスの側面、特に IT の側面は数多くあります。
トニー・ブラッドリーは『Unified Communications for Dummies』の共著者です。@Tony_BradleyPCW としてツイートしており、Facebookページから連絡を取ることができます。