
244年間の印刷の歴史を経て、ブリタニカ百科事典は、象徴的な金文字の参考図書の印刷を終了すると発表しました。これは、クラウドソーシングによるオンライン百科事典「ウィキペディア」の成功の新たな犠牲者となるでしょう。ブリタニカは今後、オンラインおよび教育関連製品に注力し、「変化は本当に良いことだ」と述べています。
ブリタニカ百科事典は、現在の在庫がなくなり次第、全32巻からなる印刷版の発行を終了いたします。また、ブリタニカ・オンラインは1週間、全文無料公開いたします。これは、正確かつ包括的な情報源として、ますます多くの学者や研究者から認められつつあるウィキペディアに対抗し、ブリタニカ・オンラインのコンテンツをアピールする狙いがあります。
マイクロソフトは2009年にデジタルマルチメディア百科事典「エンカルタ」を閉鎖し、その痕跡を留めていたオンライン辞書も昨年閉鎖されました。エンカルタはデジタル製品ではありましたが、Wikipediaの無料提供、常に更新されるコンテンツ、そして世界中から集まった数千人もの編集者、寄稿者、ボランティアの存在によって、時代遅れになってしまいました。
約100人の専任編集者を抱えるブリタニカと同様に、百科事典制作者もWikipediaの台頭に対抗することがますます困難になっていると感じている。たとえ受け入れるつもりがなかったとしてもだ。「これはWikipediaやGoogleとは全く関係ありません」と、ブリタニカのホルヘ・カウズ社長はワシントン・ポスト紙に語った。「ブリタニカが今やデジタル製品を多くの人々に販売しているという事実に関係しています」

印刷版は印刷された時点で時代遅れとなったため、ブリタニカはオンラインで寄稿者からの協力を得るという点ではWikipediaのようなモデルに近づいています。多くの記事では画像、動画、音声クリップを投稿できますが、Wikipediaのように誰でも記事に貢献できる規模にはまだまだ及びません(寄稿はボランティア編集者による非常に複雑なシステムによって審査されます)。
しかし、Wikipediaの共同作業スタイルは不正確な情報につながる可能性があり、だからこそ、このクラウドソーシング百科事典はブリタニカ百科事典のような機関から批判されているのです。しかし、ブリタニカがWikipediaよりも正確であることを示す最近の関連研究は存在しません。ただし、2005年にNature誌が行った調査では、Wikipediaの科学記事の重大な誤り率はブリタニカと同程度であることが示されています。
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