
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Amazon.comは大手エンターテイメント企業の幹部を温かく迎え、インターネット経由でテレビ番組や映画をストリーミング配信するサービスを売り込もうとしている。この動きは、市場の巨大企業Netflixや、最近Android OSを様々なテレビ関連機器に搭載する計画を発表したGoogleにとって、まさに挑戦となるだろう。Appleも、FOXネットワークやディズニー傘下のABCのテレビ番組を99セントでレンタルするストリーミング配信事業への参入を計画しているとの噂もある。
ニューズ・コーポレーション傘下のウォール・ストリート・ジャーナルによると、ここ数週間のアマゾンの営業電話リストに載っている企業には、ゼネラル・エレクトリック、NBCユニバーサル、タイム・ワーナー、ニューズ・コーポレーションなどがある。
アマゾンは既に、オンラインストアに加え、セットトップボックス「ロコ」、一部のブルーレイプレーヤー、そしてマイクロソフトのXbox 360を通じて、映画やテレビ番組のレンタルストリーミングを提供している。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、新サービスは「カタログ」コンテンツ、つまりエンターテインメント業界の幹部が直近の収益源への脅威が少ないと考える過去の番組や映画を主に活用することになるという。
リビングルームへのエンターテイメントの直接ストリーミング配信は急成長を遂げているビジネスであり、Amazonはこの技術の飛躍的発展に際し、後れを取ることを望んでいないようだ。パラマウント、MGM、ライオンズゲートが出資する映画ネットワークEpixのストリーミングコンテンツを強化するために最近2億ドルを投じたNetflixは、昨年のストリーミング視聴数がほぼ倍増した。例えば、今年の第2四半期には、1500万人の会員のうち61%が15分以上のストリーミング動画を視聴したが、これは前年同期の37%から大幅に増加している。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Netflixがコンテンツに巨額の投資をいとわない姿勢から、Amazon幹部の中にはこの市場への参入に不安を感じている者もいるという。しかし、Amazonはサービス開始にあたり、会員数を飛躍的に増やす方法を検討している。一つの案としては、Amazonのオンライン購入時に送料を無料にする79ドルのサービス「Amazonプレミアム」に、このサービスを無料特典として追加するというものがある。